今から8年程前、ある会社のITプロジェクトのPMO(Project Management Office)メンバーだった頃
ドイツ人CIOのプロジェクトオーナーが言った“日本語”に驚かされたことがある。
『Nemawashi, Its very important!』
たしかに、日本語の『根回し』って言ったよね。
『根回し』は、縦割り組織が多い日本の会社の中で、様々な部門を巻き込んで推進するクロスファンクショナルなプロジェクトを円滑に進める上では、非常に有効なコンフリクトマネージメントの一つの手段だ。
事前に秘密裏に行われ、実際の会議では出席者の暗黙知によって、十分な討議も行われず、しゃんしゃんと決まってしまう事に意味があるのか? とも思った時期もあったが、利害関係が発生するクロスファンクショナルなプロジェクトのステコミ(ステアリング・コミッティー)などでは、重要な方針を決議する場面では、決まらなければその先に進めない可能性もある。 プロジェクトとしては、方針が決まらずに立ち止まったり、仮に進んでも後戻りが発生するのは、時間・コストのロスに繋がる。
上場企業の役員クラスのステコミになると、1ヶ月以上前からスケジュール調整を行う。 それと同時にコンフリクトが発生しそうなトピックについては、事前に現場の事実関係を確認し、解決策を検討しある程度の合意を得ておく。 海外出張等で出席できない役員にも事前説明によるある程度の合意や代理出席者をアサインして頂く事をお願いし、会議で必ず結果を出せる最大限の準備はしておく。当たり前の事のようだが、意外と難しい。
ステークホルダーからの信頼を得て、中立の立場でコンフリクトを解決していく。
そして 『プロジェクトを成功させる為に我々が出来る事は全てやる。』 これが、当時のPMOメンバーの合言葉だった。
文責:伊藤