facebook

x

グローバルのヒント

木暮知之のインサイト

2025年4月11日

人は見た目が重要?!

イマーシブ・リアリティ研修の醍醐味(だいごみ)とも言える没入感を生み出すのに欠かせないのが衣装や小道具、音響などの「演出」です。他者になりきるために演出が必要な理由は人間の心理と深い関係があります。

 

今回は演出のうち、衣装が及ぼす心理的な影響について説明します。

 

例えば、研修にお医者さんが登場する場合、どんな格好をイメージしますか。おそらく、コート丈の白衣を着た姿を想像されるはず。清潔な白衣を身にまとった先生からは高いプロ意識と信頼が感じられ、診療後の説明やアドバイスには素直に耳を傾けられることでしょう。

 

医師の側にも心理的な効果があります。白衣を身にまとうことで、人の命を預かる仕事という意識が生まれ、患者や関係者に真摯に向き合う責任感のある振る舞いを自覚するはずです。

 

特定の服を身に付けることによって行動や態度に変化が出ることについては「着衣の認知(Enclothed Cognition)」という概念が知られています。(注1)これは白衣を着て作業する際の注意力を測る実験で「医師が使っている白衣です」と告げられて作業に臨んだ被験者の注意力が、ほかの作業グループよりも高くなったというものです。集中や注意力が求められる職業である医師の衣装を着ていると認知することが、実際の作業に影響を及ぼしたことを示します。

 

制服などを身に付けることによって、意欲が湧いて普段とは違う発想が生まれたり、大胆になったりするなど行動や態度が変わることがあるのは、着る服の象徴的な意味合いが着衣者に影響を及ぼすのが一因と言えます。

 

見た目(外見)から内面のスイッチを入れる──。イマーシブ・リアリティ研修でもこの手法を取り入れ、みなさんがスムーズに没入できるようにしています。

 

いかがでしたか。イマーシブ・リアリティ研修について、もっと知りたい方はこちらからお気軽にお問い合わせください。

(注1)Adam, H., & Galinsky, A. D. (2012). 'Enclothed Cognition.' Journal of Experimental Social Psychology