グローバルのヒント
木暮知之のインサイト
人間力も育てるリスキリングとは?
AI(人工知能)やデジタル技術の進化、グローバル化、そして働き方の多様化などで働く環境がかつてないスピードで変化する中、私たちに求められるスキルや知識は日々アップデートされています。社会人になってからこそ「学び」の重要性は一層高まっていると言えます。
近年、注目を集めているのが新たな知識やスキルを習得する取り組みを意味する「リスキリング」です。2020年に開催されたダボス会議では「リスキリング革命(Reskilling Revolution)」が発表され、世界的な課題として議論されるようになりました。
経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(2022年)によると、社会人の約95%が「業務の変化に対応するため、新たなスキルを学び直す必要がある」と感じているそうです。
社会人のキャリアには、プレイヤーからリーダーへ、現場から戦略担当へといった多様な節目があります。それぞれの転機においては、必要とされるスキルセットを柔軟に切り替える力が求められます。そのため、専門性の高い学びや資格取得など、自ら新たな知識や能力を獲得し続ける姿勢が重要となります。
専門的なスキルだけでなく、職場や地域社会で多様な人々と協働するために必要な「人間力」も今、強く求められています。発信力、傾聴力、状況把握力、問題解決力など、人間性を高める力が、持続可能なキャリアと社会的信頼を支える軸となるのです。
こうしたニーズに応える新しい学びの形が、「イマーシブ・リアリティ研修」です。私たちは気づかないうちにバイアスや固定観念、思考のクセを抱えており、それらを打破するには、他者との学びが非常に効果的です。他者の視点に立ち、未知の思考や行動を体験する中で、自分の枠を超える。試行錯誤を通して「誰か」として生きるその経験は、スキルだけでなく人間力をも大きく育みます。
例えば、会社から何度注意されてもパワハラ発言が直らない人がいます。気づかないうちに自分の「ものの考え方」や「話し方のクセ」が身に付いてしまっており、なかなか簡単には変われないのです。
だからこそ、こうした人には「パワハラを受ける側の立場」を実際に体験してもらいます。相手の言葉を直接受け止める役になり、言われたときにどんな気持ちになるのかを体感してもらうのです。
自分が普段どんな言い方をしているのか、それが相手にどう伝わっているのか。頭で理解していたことが体験を通して「本当にわかること」に変わります。この体験が、単なる知識を超えた本質的な学びとなり、行動の変化につながるのです。スキルと人間力。その両輪こそが、どのような環境でも社会人として求められる力です。
視野を広げ、キャリアの節目に応じた成長を促す──そんな学びの場が提供できるイマーシブ・リアリティを貴社の人材育成の一環としてぜひご活用ください。
いかがでしたか。イマーシブ・リアリティ研修について、もっと知りたい方はこちらからお気軽にお問い合わせください。