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グローバルのヒント

木暮知之のインサイト

2026年4月20日

映画『アポロ13』に学ぶプロジェクトマネジメントの本質

昔観た映画に、トム・ハンクス主演の『アポロ13』があります。私がかつて勤務していた米系コンサルティングファームのプロジェクトマネジメント(PM)研修でも教材として使われており、今なお多くの示唆を与えてくれる名作です。

 

ご存知の方も多いかと思いますが、本作は月面探査船アポロ13号の爆発事故という実話に基づく物語です。PMの観点からも非常に魅力的な作品で、「事実と推測を切り分ける状況把握の重要性」「酸素・電力・機材といった極限のリソース制約下での解決策探求」「多様なステークホルダーとの対立と信頼構築」など、まさにPMの本質が凝縮されています。

 

中でもご紹介したいのが、トム・ハンクス演じるジム・ラベル船長が、月の裏側で絶望に沈むメンバーにかけた言葉、“We’re going home(家に帰ろう)” です。

 

この一言は、パニックに陥ったメンバーの意識を切り替え、優先順位を明確にし、進むべき方向を再定義した「リフレーミング」の名言です。単語自体は極めて平易ですが、その効果は絶大でした。「月面着陸」という当初の目的を捨て、新たな成功定義を「生還」に定めたことで、チームの士気は再び点火されたのです。

 

プロジェクトは「生もの」であり、状況は常に変化します。想定外のトラブルが起きた際、メンバーの思考停止を防ぎ、ステークホルダーとの期待値を調整しながら成功の定義を柔軟に書き換えていくこと。これこそがリーダーの役割ではないでしょうか。

 

プロジェクトのみならず、リーダーという立場にある方は、常に自分の発する言葉の重みを意識したいものです。プロジェクトを生かすも殺すも、リーダーが放つ「次の一言」にかかっているのですから。