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グローバルのヒント

木暮知之のインサイト

2026年2月2日

心の受け皿を広げる学び

期待と少しの不安、そしてくすぐったい気持ちを抱えて入社式に臨んだ経験がある方も多いでしょう。その後は集合研修に参加、あるいは早々に配属先へ向かいOJTを中心に業務知識や社会人としての基礎を学ぶなど、研修の形は企業や職場によってさまざまですが、新人研修が「社会人としての第一歩」であることに変わりはありません。

 

新人研修は業務知識や社内ルールを学ぶ場であると同時に、「仕事とは何か」「この会社は何を大切にしているのか」を、肌感覚で受け取る機会でもあります。一方で、受講する新人側は、初めての環境についていくことに精一杯です。膨大な情報を頭に詰め込み、早く職場に馴染もうと必死になる。新人の頃を思い返すと、何がわからないのかもわからず、先輩に声をかけることすら勇気が必要でした。

 

さらに新人研修は、限られた時間の中で知識を効率よく身につけることに重点が置かれがちです。スキルや知識を積み上げる学びは欠かせません。しかしそれと同時に、視野を広げ、違いや迷い、失敗を受け止められる「心の受け皿を広げる学び」も必要ではないでしょうか。そうした土台があってこそ、新たなスキルや知識も自分のものとして定着していきます。

新人にとって心強いのは、あえて失敗できる場が用意され、行動を学びに変える機会があることではないでしょうか。失敗はできれば避けたいものですが、研修の場であれば安心して挑戦し、つまずくことができます。「なぜうまくいかなかったのか」「次はどうすればよいのか」を振り返ることで、考える力は自然と養われていきます。これは、Fail Fastの考えそのものです。

 

私たちは、「正解は1つとされ、それを当てることが評価される教育」に慣れてきたせいか、間違いを恐れる気持ちが根付いていることを痛感します。しかし、本当に人を育てるためには、正解を目指す研修ではなく、迷いと向き合い、解は1つではないことを知り、自ら考え直す経験を積み重ねることが必要ではないかと思います。そうすることで、少しずつ視野が広がり、思考も深まり、能動的な行動へとつながっていくでしょう。こうした考え方を大切にしながら、当社では、一人ひとりの状況や課題に応じてカスタマイズした研修プログラムをご提供しています。新人研修についてお考えの際の一助となれば幸いです。